本当の自分

エックハルト・トールの多くの説明の中で、核心にあたる部分はEnlightenmentで、やはりこの部分のところは、そのまま引用するのがいい。以下、引用。

思考を客観的に眺めていると、その行為をしている、「本当の自分」の存在に気づきます。この気づきは、大きな意味を持ちます。あなたの意識が、新たなレベルに到達するからです。勝手気ままに活動していた思考はパワーを失い、「本当の自分」に従うようになるのです。これが、無意識の思考活動を終わらせるための、第一歩です。

思考がおしゃべりをやめると、「無心状態」が生まれます。最初のうちは、無心状態はほんの数秒しか持たないかもしれませんが、心がけ次第で、段々と、長く続くようになります。無心状態のときには「心の平安」を実感するはずです。これこそ、普段は思考の雑音によってかき消されている、「大いなる存在」との一体感なのです。

この状態は、本来人間にとって、ごく自然な状態で在るべきものです。経験を積めばつむほど、平安の度合いは、より一層深まっていきます。この度合いには、限界がありません。しかも同時に自分の内奥から、魂の歓びが湧き上がるのを感じ取ることでしょう。これが「在ること」ー 宇宙に遍満する生命 ーの歓びです。これを悟りの状態、仏教的に言うならばー極楽浄土ーとなります。極楽というのは、物質的なきらびやかな場所や状態をいうのではないのです。

「大いなる存在」ー宇宙生命ーと繋がった状態を、意識を失った恍惚状態だと思いこんでいる人もいるかもしれませんが、実際は、全く違います。「大いなる存在」とつながっているときには、思考と一体になっているときより、意識ははるかに鋭敏であり、きちんと覚醒しているからです。この時わたしたちは、直感的に宇宙との一体感を感じ、波動は高まり、生命力が旺盛になります。西洋ではこれを「無心状態」と呼びますが、この言葉はなにか、虚無的なイメージを与えるので、より正確な表現は「完全意識」の方がよいでしょう。このレベルに到達すると、「自分」の存在を、強烈に、しかも歓びと共に感じるため、物質レベル世界の、思考、感情、肉体、外界物など、今まで重要だと思いこんでいたものの幻想が崩れていきます。これは「無我の境地」とも呼ばれる状態です。

この状態に到達すると、それまでの小さな肉体的な「自分」の認識を超越し、より壮大な「自分ー宇宙レベルの」認識を持つようになります。これは、肉体的な自分より途方もないほど、偉大なる存在であることがわかります。

 

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