すべてが崩壊した後に

人生には、どこかで地震や、火事、致命的なガンの宣告などの悲劇的な状況に陥り、全てを喪失することがある。その結果として、2つの全く違った方向に向かうことが多い。

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Route 1 (The Way to Awakening)

戦争や、地震などで、家も家族も全てを失うような限界的状況に会い、自分には「何も」残されていないことに気づく。また、突然、医者から末期がんの宣告を受け、自分の命が長くないことを知ったとき、それまで、自分を同一化していたモノ、それが全て奪い去られる状況になった時に、なぜかわからないが、当初感じた苦悶や激しい恐怖に代わって、ふいに「いまに在る」という聖なる意識、深い安らぎと静謐と、恐怖からの完璧な離脱と自由の開放感が訪れる。

こんなことになったのに、どうしてこんな安らぎを感じられるのか不思議に思うだろう。

これは、あなたが自分を同一化していた形、自己意識を与えてくれた形が崩壊して、EGOが崩壊したからだ。EGOとは形あるものへ自分を同一化していることだからだ。もはや同一化する対象が何もなくなったとき、つまり回りの形が死に絶えた時に、あなたの「大いなる存在」の感覚が顕在化する。自分が、あらゆる形あるものではなく、「大いなる存在」という真のアイデンティティの確信に気づく。

Route 2 (The Way to more EGOistic Status)

大きな物質的崩壊を経験した人のもう一つの道があり、こちらは、よりEGOの拡大に突き進む。一部の人達は、直ぐに、状況や他人と比較し、自分の不当な運命、大被害者という強力な精神的イメージや思考を作り出す。この思考の形とそれが生み出す怒りや恨み、自己憐憫などの感情に自分を強く同一化し、過去の同一化された形は、この新しい思考に取って代わられる。

EGOにとっては、以前のものより、より凝縮され、強固で難攻不落になり喜ばしい限りだ。このEGOに取り憑かれると、「大いなる存在」は全く出る余地がなくなってしまう。

The Way to Enlightened Status

究極的な崩壊や、喪失に会うと、人は抵抗するか、屈するかの選択に迫られる。深い恨みを抱いて苦々しい人生を送り続ける人もいれば、優しく賢く愛情深くなる人もいる。屈するという言葉は、悪く聞こえるかもしれないが、より正しい表現は、「あるがままを受け入れる」ということで、心の中の抵抗の波動をなくすことである。既に起こった現実は変えることが出来ないという事実を素直に受け止め、心をゼロにリセットして人生に向かって道を切り開こうとすること。

抵抗すると、心が縮こまりEGOの殻がより固くなり、あなたの世界は閉ざされるし、その波動はさらに外部の様々な抵抗(よくない事態)を引き寄せる。宇宙は味方してくれない。

抵抗せずにあるがままを受け入れると、意識の新しい次元が開ける。そのときのあなたの行動は、全体と調和したものとなり、創造的な知性と開かれた心、多くの人々に支えられる状況を創りだす。不思議な現象が起こり始める。

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